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日比野克彦

 今日はどんなワークショップなんですか?
「あのザル使って、ちょっとね。ふふふ」
 ここは茨城県守谷市。とある廃校で、日比野克彦は「日比野美術研究室附属病院放送部」を開いている。要は子ども、学生、市民と共にモノづくりをしようという試みだ。
 皆何年生? 四年生、十一年生、二十年生。小学校学齢あり社会人年齢あり結婚年齢あり。会場は色とりどり大賑わいだ。
 ここだけではない。日比野は一年に約40〜50回全国各地に出かけてこのような住民参加のワークショップを展開している。
「80年代に公園通りやパルコが生まれ、雑誌ではポパイやびっくりはうすが出てきた。その後ゴッホが50億円という時代があって、今また時代が変わってアートの違う役割が出てきたと感じますね。最近は街起こしの中にアートの力が期待されたりしていますから」
 この時代、美術にとって「旬」なのはホワイトキューブ(美術館)よりも地域だと日比野は感じている。だから大学や都会は留守にしてでも地域と人々を大切にする。
 ザルを人間にはりつけた絵を描いてみよう。
 参加者と一緒に、私もいそいそと画用紙に向かい合ってみた。予想通り、できあがった絵は想像力不足ばかりが如実だった。とても子どもたちの独創力にはかなわない。それでも日比野はこう言って笑ってくれた。「ま、ザルのマリオネットというところかな」。
 この包容力に、アートと市民の間の垣根がまた少し取り払われていく。


 

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